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SOSEI TALK

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フォーラムから見えてくる地域とのつながり方と大学院生の実力

第5回の「SOUSEI TALK」は「自治体における政策形成の研究」をテーマとする真山達志教授と「コミュニティの活性化と自治体の創造」をテーマとする今川晃教授が対談し、登別市と2007年春に京田辺市で行われるフォーラムの観点から、地域に対する大学院生の役割や実力について語り合った。
(2006年12月6日)

今川教授 今年(2006年)の9月29日から10月1日に二泊三日で登別市においてフォーラムを行いました。私は個人的な都合で1日だけの参加でしたが、後は真山先生の下で行っていただきました。そもそもこのフォーラムをスタートさせるきっかけは、学生の様々な地域活動が、商店街の店舗を借りたり、行政から依頼があって活動に入ったりであって、地域をどうしよう、もしくは地域活動の目的はそもそも何であるのかといった議論に学生が参加する機会がないと思ったからです。むしろ学生が地域を分析して、もっと根本的な政策に関連する議論をしっかりできるような場が必要ではないかと考えました。また、今の政策学部は真山先生の下で充実してきましたが、物事を観察する場合、福祉だとか環境だとか、多様な観点からひとつの物事を見て議論した方が政策の熟度が上がるのでは、と思いました。そこで、ひとつの同じフィールドにいろいろな専門分野が入って議論する場が必要だと考え付いたのです。たまたま登別市が、やってもいいと許可を出してくれました。ただ、政策に関連していろいろな考え方があるので、当然、登別バージョンを京田辺市にそっくり持っていくことは、私はあまり本意ではありません。京田辺市でも毎年フォーラムが行われますが、真山先生が代表者になっていただけるということで、先生の方針を取り入れながら京田辺方式ができていけばいいと考えています。
真山教授 登別のときには総政(総合政策)の大学院生も行き、学生を、ある意味うまくリードしてくれました。今度は京田辺という地元ですので、総合政策の大学院生がいろいろなことでサポートをしたり、アドバイスをしたりということができれば、学生だけでやるよりもずっと総合成果が良くなっていく気もするのですよね。そういう点での期待というか効果というか…。登別より、より良くなる可能性がある気はしますね。それから、次年度以降、登別もある程度、院生がサポートするような仕組みがあっていいかもしれないですね。院生自身、なかなか実際にフィールドで研究する機会は少ないですから。個人でフィールドリサーチに行ったりしますが、やはり人にアドバイスしたり指導すると、それ自体が結構いい勉強にもなるし、経験にもなると思います。
今川教授 今川教授の写真1そうですね。院生グループも、その場に参加して議論してもいいですし。また、もう一方では、院生は一定の学力の基礎があるので、アドバイザー的な役割と、それから政策議論をする過程をマネージメントする役割ですね。
真山教授 それは是非、行っていただきたい。総合政策はそういうマネージメント能力を高めるというのがもともとの大きな狙いですから。なかなか実務の世界ですぐに体験はできないのですが、そういったフォーラムなどで学生の研究行動をマネージメントして、最後、結論にうまくつないでいく。それを経験してもらえればいい。学生のフォーラムですが、同時に院生もそこで経験やトレーニングが積めればいいと思いますね。
今川教授 同志社だけでも様々な学部がありますが、他大学が入ることによって、いろいろな観点が出てくる。ですから、さらに院生のマネージメント能力が高まる可能性はあると思います。
真山教授 そうですね。色々な経験を積めば、より大人になってもらえると思いますね。学部を卒業して大学院生になった人の場合、学部と大学院との違いがどこにあるのかということを、経験などの点ではあまり理解や整理ができていない。アドバイザーやサポート役をすることによって、あるいはマネージメントすることで院生としての自覚と、何を学ぶべきかが身についていくと思います。
今川教授 もうひとつは地域社会との課題です。今まで、例えば行政に対しても、何か施設を作って欲しいとか、あるいは道路を作って欲しいとか、いわゆる個別の要求が依然として多かった。それは地域社会の中においても、地域をどうしようかという政策議論が欠けているのではないかと感じていました。そういう意味で学生が、院生もですが、そこで議論をし、提言する過程を示すこと、あるいは地域住民の方々との交流を深めていくことで、地域の方々も『あ、こんな観点で学生は議論していくんだ』と学ぶことができる。それによって、また政策議論のやり方がわかってくると思うのです。さらにいえば、院生が地域に入って、実際に住民をマネージメントするところまで実習できると、また面白いのかなという気もします。
真山教授 真山教授の写真1今、総政のソーシャル・イノベーション研究コースでは、実際に活動も経験しながら行っていますが、特に地域の活動や様々な組織や学会、いろいろな考えの人をまとめ、まさにマネージメントしていくということを実践的に経験し、自分自身の成果を残していくというチャンスがなかなか無いのですね。何かの活動に参加するチャンスはある。その気になれば、そのような場はいくらでもあるのですが、マネージメントまで行わせてもらえるところというのはそう簡単に存在しない。真似事ではないですが、その経験ができればいいですね。
今川教授 だから、ああいうフォーラムで地域住民の方と何か一緒にできるということが将来的にできてくると、院生のマネージメント能力にますます磨きがかかってくると思います。もう一方では、登別も京田辺も、発起人に市長以外、議長も入ってもらっているのです。議長が入るということは議会の活性化という、議員さんも何か学生の議論に耳を傾けてもらって、自分たちの政策議論はこうした風にしたほうがいいのかな?という気持ちも持ってもらえる。そこには当然、院生がいろいろなマネージメントをしますから、熟度が高まっていくと思うのです。議会への刺激にもなればなと考えています。
真山教授 今、学生も大学院生も、自らが議員になりたい、または、なろうとしている人が多いですよね。総政の場合は現役の議員さんも院生という形で来られていますが。そんな意味で、だんだん議員の中にも、政策能力を高めるとか、地域の単なる御用聞きではなくて政策的に地域の中で活躍していくという発想がだんだん備わってきているというか、芽生えてきていると思うのです。ただ、理論であるとか、いろいろな考え方というものを押さえた上で活動していこうとすると、そういうフォーラムなどを見聞きしてもらうのも大事なことだと思います。宣伝になりますが、総政なんかに入ってきてもらえればいいと思いますけどね。
今川 晃
同志社大学大学院総合政策科学研究科公共政策コース・企業政策コース・ ソーシャル・イノベーション研究コース教授
真山達志
同志社大学大学院総合政策科学研究科公共政策コース・ソーシャル・イノベーション研究コース教授

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