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教員紹介

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あだち こうじ

安達 晃史 准教授

研究分野(学部) 交通政策・組織の効率性・地域政策
研究室 渓水館228号室
メールアドレス koadachi@mail.doshisha.ac.jp

研究の関心(研究内容を含む)

 私の研究のキーワードは、「交通・組織・地域」の3つです。
 一つ目の関心は,「交通政策」です。交通とは,人や物の移動であり,交通を把握することで様々な経済活動が理解できます。例えば,コロナ禍では,移動制限やテレワークの進展により,都市交通の需要は大きく変容しました。さらに,世界規模での港湾労働者不足による輸送停滞は,資材不足だけでなく様々な価格高騰といった形で我々の生活に大きく影響をもたらしました。交通政策は,大小様々な移動を規定し,社会の在り方や人々の暮らしにも直結する重要な分野です。経済学に基づく実証研究をベースに,交通政策に関わる諸問題にアプローチしています。
 二つ目の関心は,「組織の効率性」です。プロフィールにも書いた通り,空港をはじめとする交通関連事業者や自治体といった公共性の高い組織の効率化と,それによる周囲(地域)への影響について研究しています。例えば,近年導入され始めた空港コンセッションでは,航空系活動(主に航空機の離着陸に関わる業務)と商業系活動(主にターミナルビルの運営)の分業によって生じていた非効率を,一体運営によって解消し,さらに機能も強化されるようになりました。非効率の要因を探るだけでなく,こうした政策の効果検証などについても定量的にアプローチしています。
 三つ目の関心は,「地域政策」です。「交通」と「組織の効率性」の研究を進めるなかで,「交通事業者と周辺地域との関わり・協働」や「行政サービス向上による地域活性化」についても研究するようになりました。例えば,沿線人口減少の影響を受ける地方鉄道では,沿線住民・地元企業・自治体との協働を通じて地域の公共交通ネットワークの維持に取り組んでいます。さらに,近年では観光列車を導入し,交流人口拡大による地域経済への貢献などでも注目されています。また,少子高齢化・過疎化の進んだ交通空白地域では,公共交通サービスの維持が困難であるため,新技術を駆使したライドシェアの導入検討などが進められています。こうした交通の諸問題は地域社会の在り方を考える上で,大変重要な視点の一つです。一方,東京一極集中によって拍車がかかった人口減少の影響で税収が減り,効率的な行政サービスの維持が困難な地方自治体も数多く存在しています。こうした自治体は,PFI等による公共施設の維持管理・DX(デジタルトランスフォーメーション)・子育て支援・企業誘致など様々な取り組みを通じて,行政サービスの効率化と地域経済の活性化を目指しています。
 「交通」と「組織」の二つの研究軸が,「地域」という枠組みでつながっています。以上の研究分野に関心がある方は,ぜひ私のresearchmapをご覧ください。 

プロフィール

1990年生まれ尼崎市出身。中学・高校の6年間は京都の洛南(最後の男子校時代)で過ごしました。1年の浪人生活を経た後、大学・大学院の9年間は神戸大学でお世話になり,そのまま研究者の道を歩み始めました。中学・高校ではバレーボール,大学・大学院では合唱に熱中し,チームで活動することの面白さや難しさを学びました。ひとりっ子の私は,独りで居るよりも,常に他の誰かと過ごすことが好きだったので,「チームワーク」が求められる活動に惹かれたのかもしれません。こうした経験が糧となり,現在は様々な分野の研究者との共同研究を通じて「どうすればチーム(組織)がより良く(効率的に)なるのか?」という問いについて取り組んでいます。私企業よりも,空港や自治体といった公的性質の高い組織を対象とすることが多く,それらの活動がどうすれば効率化するのか、そして効率化することによって周辺地域がどう変わるのかについて日々研究しています。二児の父として子育てに奮闘中。最小単位の組織(家庭)の効率化は永遠の課題です。

講義・演習・少人数クラスについて

学部科目

講義は,「地域政策」「社会調査入門」を担当しています。少人数クラス(ゼミ)では,ディスカッションを通じて,地域政策や交通政策に関連する問題意識を共有し,自分たちでリサーチクエスチョンを立て,その問いの答えを自力で模索します。設定する問いに応じて,フィールドワークや実地調査なども行い,学生主体の学びを促します。希望があれば,外部のコンテストや懸賞論文への投稿なども積極的にサポートします。

大学院科目

講義は,「地域政策論研究」「定量分析Ⅰ」を担当しています。少人数クラス(ゼミ)では,各自の問題意識に沿った研究内容について発表・ディスカッションを交えながら,研究を進めていきます。

受験生へのメッセージ(学部・大学院)

【学部生向け】

社会科学の様々な分野を横断的に学びたい人,自分の関心を見つけたい人,興味関心のある専門を究めたい人…様々なタイプの人にマッチするのが政策学部です。究極の「ジェネラリスト」を目指せる,最高の環境が整っています。身近な交通問題や地域の諸問題に関心のある人はぜひお待ちしています。

【大学院生向け】

交通分野に関心のある方,地域の諸問題を解決したい方と問題意識を共有しつつ,多角的な視点・手法を身につけ,意欲的に研究を進めたい方は大歓迎です。調査設計や定量分析の手法をマスターし,一緒に地域社会の問題解決に貢献しましょう。