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総政における学際性とは 多田実教授

 総政設立 20 周年を記念して出版された『総合政策科学の現在』という名の論文集。出版社(晃洋書房)のウェブサイトには次のような概要が記されている。

  • 同志社大学大学院総合政策科学研究科は、1995年に創設され、2015年で創設20周年をむかえた。本書は20周年を記念して編まれた自由で学際的な論文集である。 多様な分野の研究と連携・協働し、「総合的な政策」を科学的に解明する。

  • http://www.koyoshobo.co.jp/booklist/11498/

 たしかに、この本には、総合政策科学研究科教員26名による「学際的な論文」 が1冊にまとめられているのだが、残念ながら、このサイトには上記の概要以外の説明はなく、 リンク先のamazonにも飛んでみたが、そこにはこの概要すら記されていなかった。何か 「秘密のベール」に包まれているみたいで、思わせぶりなPR手法(ティザー広告的) なのかもしれないが…(苦笑)。

 そこで、この本における「学際性」について、私が執筆した「感情科学を考慮した 価値主導型地域活性化マーケティング」を例にとり説明することで、総政に“潜んでいる ”魅力の一端が伝えられれば幸いである。

 「学際性(inter・discipline)」とは、ディシプリン(学問領域)がインターする (相互的に交わる)という英語から分かるように、それぞれの学問領域が従来もっていた 「垣根」を飛び超えて、複数のディシプリンが相互作用的に融合していることを意味している。 私の場合、「経営科学(Operations Research;以下「OR」と略記)」が元々の専門分野であり、 ご縁あって(←これは仏教用語らしい…笑)政策学部創設時に現職に着任してから、ORを数理的ではなく、 マーケティングリサーチ的な問題解決アプローチとして意識した教育を心がけるようになった。さらに、 2008年度、文部科学省が選定する「質の高い大学教育推進プログラム(通称:教育GP)」に採択された 「政策提案能力を養う理論と実践との交流教育」を契機として、いわゆる「地域活性化」 に関わる取り組みも行うようになった。このような背景から、「地域活性化×マーケティング」 という研究・教育を行うことになり、独自性や新規性を追求した結果、新しいマーケティングの概念である 「価値主導型マーケティング」を考慮し、さらには、「消費者行動論」的なアプローチの1つと言える 「感情科学」と呼ばれる領域にまで足を踏み入れることになったのである。簡単に言うと、 特産品や観光名所の効果的なプロモーションなどを考える従来型の地域マーケティングではなく、 感情が高ぶるエモーショナルな場所に価値があると考え、それを明らかにして地域活性化に役立てることを 試みる研究アプローチである。

 ORという1つの専門分野から次々に異なるディシプリンへと展開していったこの研究は、 まさに「総合政策科学の現在」の一端を表しており、「学際性」というキーワードに興味を持たれたならば、 是非、残りの「秘密のベール」の部分(25/26)についてお調べいただきたい。リレーコラムなのに、 前回のコラム「中小事業者のおっちゃん、おばちゃんの心意気 (http://sosei.doshisha.ac.jp/column/29.html)」 とのつながりがあまり感じられない内容になってしまったが、「地域」という同じキーワードに関するコラムでも、 かなり異なるものがリレーできることこそが総政の魅力なのだと思う。